88’s blog

自分の趣味趣向をログに残したいと思ったのがきっかけです。よろしくお願い申し上げます。

「恋愛の話〜小学生編〜」

小学生の時に好きな女の子がいた。

 

名前はミキちゃんという女の子。

 

当時、自分の通ってた小学校は自分も含めて服装もマインドも芋人間ばかりだった。

 

周りに小さめのサティ(今で言うジャスコ)しかないためオカンが買う服がみんなとほぼ同じなのである。

 

ダッシュチーターというプーマまがいの安価トレーナーに毛玉だらけのコーデュロイパンツを合わせた謎スタイルが大流行してた男子と、

 

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ピコのパーカーにブーツカットの裾がヒダヒダになったジーンズを合わせる女子しかいなく

 

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その中でミキちゃんは物凄く芯をついたファッションでtommyのTシャツに濃いめのリーバイスコンバースというPUFFYみたいなファッションで俺の心を確実に捉えた。

 

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こんなかんじ。

 

ある日はディッキーズのつなぎを着てたり、なんや親父が所ジョージなのかと思うくらい大阪のベッドタウンにも関わらず、世田谷ベース感満載で見惚れていた。

 

当時流行ってた音楽はモー娘。でみんなキーホルダー集めたりしてたけど、ミキちゃんだけ宇多田ヒカルのキーホルダーを筆箱につけたりしてた。

 

俺は思った。「宇多田ヒカルを利用すればミキちゃんに近づける」と。

 

今思えば、浅はかで小学生ながらストーカー気質満載の行動であったがコレが爆裂に功を奏す。

 

近所の駄菓子屋で宇多田ヒカルの下敷きを購入し、夏の暑い時期に風を仰ぐふりして下敷きをベコンベコンいわせながら「この下敷き風気持ちええわー」などと奇声を発しミキちゃんの目を向けた。

 

すると、休み時間にミキちゃんが俺の机に来た。

 

「かわはらくん、ヒッキー好きなん??」

 

は?ヒッキー?なんかのヒーローかなと思いながらもそんな訳ないと思い適当に

 

 

「おう!」と答えると

 

「えー、意外やわ!!今度CDとか貸してあげるね」

 

 

 

って言われてそこで気付いた。宇多田ヒカルがヒッキーという愛称で呼ばれてることを。

 

 

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このCDを貸してくれた。

 

 

そこから薔薇色の日々である。ミキちゃんと休み時間になっては宇多田ヒカルの話ししたり、下敷き交換したり、俺が持ってるキーホルダーあげたり。

 

しまいには、放課後下駄箱覗くと手紙が入ってた。なんてハイカラな女だ。

 

「来週の火曜日ヒッキーのラジオ放送あるから一緒に放課後私の家で聞こう」とあったのだ。

 

テンションあがりミキちゃんの家でラジオを聞いた。田中律子似のミキ母がお菓子を作ってくれた、2人で食べた。親公認である、、完全に田中律子公認の若手カップル誕生の瞬間である。

 

「娘さん、いやミキちゃんを僕にください」と言わずして親御さんの方からよろしく頼むぞと言われたようなもんである。

 

 

しかし、ここから転機が始まる。

 

倉木麻衣のデビューだ。ファーストシングルのCMを見た瞬間に

 

俺は完全に倉木麻衣に心を持ってかれた。

 

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当時、宇多田ヒカル倉木麻衣はファンからするると水と油のような存在。

 

宇多田ヒカルファンからしたら倉木麻衣のスタイルはパクりにしか見えないようで様々な物議を醸した。年齢、高学歴、作詞、英語と日本語を流暢に交えた歌、メロディ、PVの雰囲気。

 

しかし、俺は完全に倉木麻衣の顔面がタイプであった。

 

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そもそも、宇多田ヒカルR&B感やセンスの良さなんて芋同然毛玉コーデュロイの俺には理解できなかった。

 

ミキちゃんが好きだから繋がるために利用したツール、それが宇多田ヒカルだった、それだけの話である。

 

ファーストラブを聞いた時も何を言うてるのかチンプンカンプンだったし、正直家では仮面ライダーの歌しか聞いてなかった。完全にアホ八郎である、でもわかったフリをしてミキちゃんに近づいた。

 

倉木麻衣の登場で俺は周りが見えなくなった。あのポニーテールも、完全にどストライクで宇多田ヒカルの下敷きもいつのまにか倉木麻衣の下敷きに変わっていた。

 

 

 

とある休み時間、ミキちゃんが来た。

 

「ヒッキーより倉木麻衣やねんな、ほんま残念やわ。」

 

「いや、ちゃうねん!!コレは」

 

「あんなけファーストラブとか他の曲も良いって言ってたのに、倉木麻衣の一曲だけで寝返りするんや!ほんま川原くんって心変わり激しいね」

 

 

いや、違うと。

 

俺は倉木麻衣の「顔」が好きやねん。もちろん倉木の歌も理解できてないし、寝返りってそもそも宇多田ヒカル理解できてないっちゅうねん!!

 

そこから卒業まで口を聞く事は無く卒業し、俺は中学受験で完全にミキちゃんから離れる事になった。

 

最後に一言だけ。

 

「ミキちゃんへ。俺はようやくこの歳になってから、宇多田ヒカルのCDを聞くと完全に理解できる歳になりました。ヒッキーの顔も完全に俺のストライクゾーンになったし、今の俺があの頃のミキちゃんに会ったらもっとわかりあえたかな?」

 

 

いや、おっさんが小6と分かり合えるかー