「昆虫編〜アゲハモドキとジャコウアゲハ〜」
この二つの昆虫の違いがわかるだろうか??まぁ凝視すれば斑点が少ないとか羽の尻尾部分が違うなどあるかもしれないが、普通の人がこの写真を見るだけで種別まで判断出来ないのが普通である。
これら2つは同じ蝶では無い、しかも1つ目の昆虫は蛾なのである。
1つ目はアゲハモドキという蛾で、2つ目なジャコウアゲハという蝶である。
自然界には、何かに擬態する生物が多く存在する。
例えばハナカマキリ
などは花に擬態する事で、花の蜜を吸いに来たハエや蝶などを捕食する為だと考えられている。
他にもカメレオンやコノハギスなどは有名であるがトリッキーな昆虫で言うと、南西諸島や主な西表島や与那国島に生息するヨナグニサンなどは羽の先端部分がヘビに擬態することによって襲われにくくしているなどと考えられている。
本州にも生息しているシンジュサンも同じ。
ヤママユガなどは羽に目の模様をつける事によって鳥などに襲われにくくなるという擬態方法もある。
たしかに気持ち悪いよなー、と思う。昔長野県の山奥の自販機に何百匹とヤママユガやクスサン、シンジュサンがへばりついていた時は鳥はおろか人間の俺でも背筋が凍り恐怖を感じた。
話は戻るが、昆虫の擬態はシンプルですごくわかりやすいのが多かったりする。ではこのジャコウアゲハに擬態するアゲハモドキは何故その必要があるのだろうか。
答えは、ジャコウアゲハの幼虫が食べるウマノスズクサ科の葉っぱに関係している。このウマノスズクサには毒素が含まれておりジャコウアゲハの幼虫はこれを食べる事により成虫になっても体の中に毒素を蓄えており、鳥やヘビから狙われにくいという特性があるのだ。
それが理由で、アゲハモドキも自らがジャコウアゲハに擬態することによって襲われにくくするというものなのである。
まぁ幼虫の時点では全然違うんですが、、
となると、やっぱり生き物の進化の過程ってどうなってるのかすごく気になるし、クロアゲハやオナガアゲハ、モンキアゲハ、ナガサキアゲハなどの、黒を主体色とした蝶も全部ジャコウアゲハに擬態した結果なのかも。。
昆虫の形や色彩、模様等全てに意味がある訳ではないとは思うけども、考えるとキリがない、とても興味がそそられる話でした!!